縦笛@ne.jp
近所の公園。
あたしと石田はブランコに腰をかける。
『はいよっ!お前の好きなミルクティー!!』
「ありがと石田…」
石田は本当にあたしのツボを上手に突いてくる。
ミルクティーの冷たさを打ち消すほどの石田の温もりであたしの胸はとろけそうだったんだ。
『縦笛…久しぶりに聞かせてくれよ』
「あれ…もうないんだ。」
『なんで?』
「教室に置いておいたらいつの間にか…」
『えっ、万俵じゃないのか!それ!!!あいつだよ絶対!!許せない奴だな!!』
石田はブランコから立ち上がった。
「いいの。もう彼の名前は口にしないで。」
『ごめん…。わりぃな。』
ミルクティーを飲み干して、缶をゴミ箱に捨てようとすると
『いいよ、ゴミ俺が捨てとくから。貸して!!』
あたしの缶を取り上げた。
「うん、ありがとう。」
何からなにまで優しい。