縦笛@ne.jp
いつものファミレス。
デートで食事をしてると急に石田が黙り込んだ。
「どうしたの?石田の好きなドリア冷めちゃうよ。」
『あのさ…今日、俺の家に来ないか?』
家?
一瞬だけ過去の出来事がフラッシュバック。
「…うん、行く。」
『無理はしなくていいんだぞ。』
あたしは強く首を横にふる。
「ううん、行きたい。」
付き合って何ヶ月間も家に誘わなかったのは石田の優しさだってコトくらいわかってるんだ♪
「ねぇ、石田。隣りに座ってもいい?」
テーブル席だったけど、あたしは少しでも近くにいたかった。
石田の隣りにいたかった。
『おいで。』
「うん。」
このあと…あたしは石田の家に行くんだ☆
いつもより3割増しくらい早いスピードで食べ終え、いつもだったら何度も行くドリンクバーも一杯しか飲まずに食事を終わらした。
ワクワクしてんだ。
石田の家に行けるコトが楽しみで仕方なかったんだ。
会計を済ませ、あたしと石田は歩き出す。
石田の家まで歩き出す。
道中、石田は何度もあたしのコトを見てきた。
わかってる。
石田♪
心配してくれてるんだよね?
確かに不安もあるよ。
過去が完全に消えたわけじゃない。
今だってたまにあの頃のコトを思い出す時がある。
でもあたし強くなるから。
石田は黙って手を握ってくれた。