縦笛@ne.jp








ねぇ神様。


幸せ行きのバスはいったい何人乗りなの?


私がバスに乗り込むコトで他の誰かが落ちちゃうのかな?


それとも入った人数の分だけ車体が大きくなるの?


あたし、硬いシートでも我慢できるよ。


座れなくたっていいよ。


立ってられるよ。


だから乗せてよ。


あたしと石田をそのバスに乗せてよぉ。


もう1回。


もう1回だけ…


あたし“幸せ”感じちゃダメかな?


いいよね?


お願いだよ、神様。


オネガイ。


あたし石田と幸せになりたいよ。


笑顔を作っていきたいよぉ。


石田が好き。


軽はずみで“好き”だなんて言葉口にしちゃいけないことはよくわかった。


でも…


この言葉しか出てこないんだもん。


もし“好き”って単語がこの世に存在しなかったら


あたし石田との会話がなくなっちゃうんじゃないかな。


言葉を作ってくれた人は偉大だ。


きっとこうやって恋人同士を繋いできたんだ。








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