縦笛@ne.jp

教室の中ではみんながざわついてた。


『転校生が来るらしいぞ。』


『転校生じゃないよ!元々このクラスの子だよ!』


『男?女?』


『男!!!しかもヤンキー!!』


クラス中の言葉が行き交う。


うるさい。


ホントみんなうるさい。


要するにこういうことだ。


あたし達のクラスメイトはもう1人いたらしい。


それがどうやら入学前にケンカして大怪我し、入院していたそうだ。


だから2ヶ月遅れて今日から登校だってこと。


席に座っていると樹里に肩を叩かれた。


『ケンカで入学遅れるだなんて、いつまでもガキみたいな奴がいるもんだね?』


樹里はため息まじりでそう言う。


「ケンカかぁ。コワイ人なんだろうなぁ。あたし苦手だなぁ。」


『な~に言ってんのよ!あんたには関係のないことでしょ?どうせ男の子と口も聞けないんだから!(笑)』


図星だった。


そうあたしには関係ないこと。


確実に無関係。

< 40 / 171 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop