縦笛@ne.jp
『俺、お前のこと好きだわ!』
「えっ…。」
あたしは驚いたフリをした。
そう。
別に驚いてないよ。
だって樹里から聞いてたし、石田のその真っ直ぐな態度見てればすぐわかるもん。
正直「そんなコト言うなよ」って思ってた。
友情壊すなよ石田。
あたしは今までのままでいたいんだよ。
今のまま石田とは親友でいたかったんだよ。
「ごめん、あたし好きな人いるんだ。」
正直に言った。
『万俵か?』
「うん…。」
『お前の好きになった男を悪くなんて言いたくないけど…あいつはやめたほうがいいって!』
「…なんでみんなそんなこと言うの?石田も樹里みたいなこと言うんだね。」
『あいつ…変な噂あるし、だってさ…あいつ…』
あたしは耳を塞いだ。
聞きたくなかった。
「黙って!!!!!!!!いいの!!!あたしが好きなの!それでいいでしょ。変なコト言って万俵くんのこと汚さないで。」
『そうだよな。ごめん。』
「…。」
『でもな。俺…お前のこと好きでいてもいいよな?』
「……。」
『これからも普通に仲良くしてくれるよな?』
「……。」
何も言わずに帰った。