縦笛@ne.jp

初めての会話


その出来事は突然起きた。


5時間目と6時間目の間の休み時間だった。


なんとなく鼻の穴の横がかゆくなってポリポリかいていた時。


『おい、田中!お前いつも俺のこと見てるだろ?』


万俵くんがあたしに話かけてきた!!!!!!!


「えっ…」


初めて話しかけられてあたしは何も言い返すことなんて出来なかった。


それどころか鼻の穴の横をポリポリかいてる瞬間だったんだよ?


鼻の穴をほじってるって勘違いされたらどうしようって思ってた。(汗)


そんなわけのわからないコトを気にしてしまうほど気が動転してたんだ。


『あっ、いいんだよ別に。俺モテるもんな。なーんてね。(笑)』


そんな自信過剰なとこだって大好き☆


そうやって、あなたの言う一言一言があたしをドキドキさせるんだよ。


万俵くんの周りにはいつだって女の子がいる。


チャラい男だってコトくらいはあたしでもわかる。


それでもいいって思えた。


それでも付き合いたいって思えるほど…あなたは魅力的だったんだ。


結局何も言えないまま万俵くんは自分の席のほうに歩いて行こうとした。


「あっ…あの!!万俵くん!!」


あたしは必死で呼びとめたんだ。

きっと声、裏返っちゃってたんじゃないかな?

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