梶山書店物語〈零〉
「い、いいです!初対面ですし、悪いですから!」

初対面ではないけどね。

俺は、黙って見続けると、赤面が引いていった頬は、また真っ赤になっていた。

「お金ないですから!」

「田中さん」

泣きそうな顔だ。
今すぐにでも逃げたいのだろう。

「ナンパしてるんで、お金は出します」

目を真ん丸にして、やっと俺を見てくれた。





< 12 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop