梶山書店物語〈零〉
「実は…田中さんは私です」

「わぁ!そうだったんですね」

「…わざとらしい」

あ、何か初めて素の東雲さんが見えた気がする。

「わざとらしかったですか。
何で、嘘ついたんですか?」

「…それは、あんな他の書店で梶山書店って言うから」

「あ、そうだね。ごめんね」

こちらこそ、すみませんでした。とペコリと頭を下げて立ち去っていく。





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