梶山書店物語〈零〉
「もう今日は、ここで終わりなんで、東雲さんを待ちますね」

「えぇ…それは…あの」

「いやいや、僕の冗談なんでね。本気に取らないで下さい」

田中さんの弁解に東雲さんは隣で大きく頷いている。

俺にとって、その冗談に助かってるんですよ。
考えなくて済みましたから。

「5時で終わりですよね」

「うっ…」

「着替えてきて下さい。
待ってるんで」






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