梶山書店物語〈零〉
「何で?何処に書いてんの?」

「は?」

「座んなって書いてる?」

ああ言えばこう言う。
てめぇの常識って何だよ!
てか、てめぇこそ常識知らねぇじゃねぇか。

「いやいや、見たらわかると思いますけど座って読まれると他のお客様が通れなくなりますしあなたの家じゃないですよ」

これは素で言ってしまった。
勝手に口が動いていた。
もう腹ん中で真っ黒な渦が巻いてるのが自分にもわかる。

「じゃあさ立ち読みもダメだろ、注意してこいよ」

はぁ?何言ってんだコイツ。




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