梶山書店物語〈零〉
これを揉めてから10分は経っていると思う。

他の客達がチラチラと伺いながら通り過ぎていく。
あまり騒ぎは起こしたくないし私一人ではどうやっても勝ち目がない。

どうしようかと悩んでいたら
嫌な物が目に入った。

あれは…いつもあいつの隣にいる…

「あんれぇ~?痴話喧嘩?俺も混ぜてくんな~い」

このふざけたしゃべり方。
何もかも余裕ぶった言い方は、私の知ってる人で一人しかいない。

振り替えるより先に私の隣に並んで肩を組んできた。







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