。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
「龍崎 戒(リュウザキ カイ)です。よろしく」
え……龍崎って?
「偶然?お前と一緒の苗字だぜ」
すぐ後ろの席で千里があたしをつついた。
「あ……あぁ」
あたしは曖昧に返すことしかできなかった。
偶然―――?
このときあたしにはただの偶然に思えなかった。
何か狡猾に裏で糸を引かれているような……
不穏で、不吉な予感を感じ取っていたんだ。
だけど、それがやがて“あたしたち”の運命を大きく変えるとは
そのときのあたしには
分からなかった。