。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
黙ったまま叔父貴はタバコを一口、二口と吹かす。
溜まりかねてあたしは次の言葉を吐き出した。
「現にクラブZがやられたじゃねぇか。噂によると虎間兄弟の仕業だって。あいつら青龍会を乗っ取ろうとしてやがるんだ」
「落ち着け、朔羅」
叔父貴はまだ半分ほど残ったタバコを同じく木でできたボードの上に置いたガラスの灰皿できれいにもみ消した。
「クラブZの真相は俺が把握している。事後処理も内密に済ませた」
「でも……」
それでも納得のいかなかったあたしは食い下がった。
思えば叔父貴に意見するなんて、これが始めてだ。
いつだって叔父貴はあたしの欲しい答えをくれる。
いつだってあたしの考えに同調してくれる。
あたしが間違った考えでも、やみくもに叱るんじゃなくて、どうしていけないのか理由づけて正しい道に導いてくれる。
でも
今は叔父貴の考えが全く読めないよ。
叔父貴の心が読めないよ。
差し出された道の一歩先は暗闇だった。
「大丈夫だ。お前は何も心配しなくていい。手は打ってある」