。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。




大丈夫




叔父貴はもう一度小さくあたしの耳元で囁いた。


低いくすぐるような甘い声音。


大好きな叔父貴の声。




「大丈夫だ」



その言葉であたしの暗かった道に一筋の光が差し込んだ。


単純だ、と言ってしまえばそれまでだけど……


でもそれぐらい叔父貴の言葉には威力と絶対的な安心感が含まれてる。




叔父貴は何もかも知っている。


きっと虎間のことも。


そいつがしでかしたことも、ことの真相も。


あたしたちはただ噂でしか聞いていないから、悪い方へ悪い方へ考えるしかできなかったけど。


きっとそいつらにも何か事情があったんだ……と。




大丈夫




今は叔父貴を信じるしかない。



例え手ひどく裏切られる未来が待ち構えていようと




今はとにかく




信じるしかない。








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