。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
あたしは眠ったままの叔父貴の頬にそっと触れた。
頬から顎にかけてしゅっとしたきれいなラインを描いている。
思った以上にその頬はずっと冷たかった。
不思議だ……
いつもは不動明王のごとく凛としていて、堂々たるその風貌は誰もが恐れる極道の頭なのに。
寝顔はまるで少年のそれのようにあどけない。
触れてて初めて気づいた。
叔父貴……ちょっと痩せた―――?
忙しいんだな、きっと。
ちゃんと食ってんのかな?
今度、うちに来たときは栄養のあるもんたくさん作ろう。
んでたくさん食べてもらうんだ。
叔父貴が「うまい」って言ってくれるとあたしも嬉しいからさ。
あたしはすんと、鼻をすするとぐいと涙を拭った。
掛け布団を叔父貴の体にそっとかけて、部屋を出た。