。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
喧嘩!?
あたしが飛び上がらんばかりにびっくりして目を丸めてたからかな。
「気づいてなかったの?」
メガネが苦笑を漏らした。
言葉の端にちょっと棘を感じる。
「琢磨さんの仕業かぁ。俺の所有物だって主張してるみたい」
メガネが目を細めた。
メガネの奥の瞳の中に小さな鋭い光が宿っている。
また……だ。
この目。前にも見たことがある。
それに所有物って……
「そんなんじゃねぇよ」
あたしはメガネの手を乱暴に払うと、ぷいと顔を背けた。
叔父貴はたぶんそんなつもりでキスマークをつけたんじゃない。
そんなこと分かりきってる。
分かりきってるからこそ、心の中のもやもやが増長していく。
「前から思ってたけど、二人仲良いよね。ちょっと異常なぐらい」
メガネの口調はあくまで優しかったけど、どこか淡々としてる。
どこか冷たい。
何か棘を感じる。