。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
「どうもしねぇよ。風呂入って寝る」
あたしはそっけなく言うと、その場を後にした。
久しぶりに―――本気でイラっときた。
本気で力を入れた。いや……まだ本気じゃねぇな。
本気だったら、メガネの首の骨を折ることぐらいあたしに簡単だ。
ほっそい首。力を入れたら簡単に折れそうな……
でも……それはしなかった。
ほんの脅しのつもりだったから?
それとも叔父貴の大事な預かり者だから?
いや違うな。
メガネの言葉があまりにも的を射ていて、間違いを気づかされたからだ。
でも……
「あたしは尻軽女じゃねぇ。畜生」
部屋で一人膝を抱えて、呟いた声は弱々しく虚しいものだった。