。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
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「は~い。みなさんうまく焼けましたね。ではラッピングしてくださいね~」
先生の言葉で女子たちが「は~い♪」と明るい声で返事をする。
週一回の調理実習の選択授業は2クラス合同で、もちろん全員女。
クッキーやらケーキやら、何かとつけて男子にプレゼントできそうなメニューをチョイスしてくる辺り、どうなのかと思ってたけど…
今日ほどこの授業がありがたく思える日はないよ。
「わ~エリナ♪そのラッピング可愛い☆」
隣のグループは何かとつけて賑やかだ。
隣のクラスの新垣 エリナ。
可愛くて女の子っぽくて、しとやかで優しくて器用でおまけに頭がいい。
学校のマドンナ的存在だ。
あたしとは正反対だな。
男はみんなあんな女の子が好きで、きっと叔父貴もああいうタイプが好きなのだろうな……
あたしの母親がそうだったように。
ま、メガネは関係ないだろうけど。
あいつは女に興味がないらしいからな。
何故かそのことにほっと安心感を覚える。
新垣 エリナのラッピングをちらりと見ると、
透明のセロファンの袋にピンクと赤のリボンをきれいに飾ってある。
しかも袋の口を細かくぎざぎざにカットしてあってなかなか手が込んであった。
「わー、ホントうまくラッピングしてあるねぇ。それにつけて朔羅……あんたそれ…」
リコは隣のグループを見て、次いであたしの手元を見、ちょっと眉を寄せた。
「不器用ですから」
あたしは自分の手の中にあるケーキのラッピングを見て、ため息を吐いた。