。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
うーん……やっぱ教室で渡すのは、さすがに…
それに、みんなきれいにラッピングしてある。
あたしのなんてとてもじゃないけど、見れるもんじゃない。
どこか人けのいないところでそっと手渡して、そんでもってついでに謝れたら……
そんなことをずっと考えて、とうとう下校時間になっちまった。
いつもならメガネを避けるため、ホームルームが終わると同時にダッシュしてたけど、今日は何とかメガネに近づけるチャンスを窺っていた。
家ではみんないるし、何だか照れくさくて渡せないから。
そう思っていたら、メガネが鞄を持って席を立った。
チャーンス!
あたしも急いで席を立つと、ダッシュでメガネを追いかけた。
メガネはクラスの女子からもらったケーキの山を紙袋に入れてガサガサ音を立てながら、廊下を歩いていく。
ん?ちょっと待て。
そっちは昇降口じゃねぇぞ。
そう思いながらこそこそ後を尾けていくと、いつの間にか裏庭に着いていた。
こんなところに何の用だ?
訝しく思っていても、何故か植木の影に隠れてメガネの様子を窺っていると、
校舎の向こう側からマドンナ新垣 エリナが走ってきた。
「ごめん。待ったかな?」
マドンナはほっぺたをピンク色に染めてメガネを見てる。
んん―――!!
これって……