。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。

マドンナは……


きれいで可愛くて、料理も上手で、ついでにラッピングもきれいで……


非の打ち所のない完璧な女の子だ。




あたしは……


口は悪いし、態度も悪いし、不器用で―――



全然女らしくない。




手に握ったケーキのラッピングがひどく滑稽なものに見えた。


こんなもの……


渡したって、マドンナのケーキをもらった後じゃ、嬉しくも何ともないよ。




あたしは音を立てずにその場をそっと立ち去った。


メガネが振り返って、


「朔羅さん……?」と囁いたのも気づかずに―――





< 130 / 558 >

この作品をシェア

pagetop