。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
「はぁ?んなもんいるか!」
俺はちょっと声を低めると、寝転んだままの姿勢で響輔を睨み上げた。
「そうですか?じゃぁ俺がもらっちゃいますね」
そう言って袋のリボンを解く。
「待て」
俺はむくりと起き上がった。
響輔と同じ目線になると、俺はぶっきらぼうに手を差し出した。
「?」
響輔がわざとらしく首を傾げる。
「寄越せよ。食ってやる」
「素直じゃないんだから……」苦笑いを漏らすと、響輔は袋ごと俺に手渡した。
でもその手をふっと引っ込める。
「何だよ」
「2切れあるから半分こしましょう。俺もお嬢の作ったケーキ食いたいです」
「ケーキが食いたいんなら、こっちをやる。それを俺に寄越せ」
そう言って俺はクラスの女子からもらったケーキが詰まった紙袋を響輔に差し出した。
「そんな誰が作ったかも分からない物俺はいりません。お嬢のケーキが欲しいんです」
響輔はきっぱりと言い放った。