。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
「何言って……」と言いかけて俺は、はっとなった。
「響輔……おめぇまさか……朔羅のこと…」
響輔は切れ長の黒い瞳を細めて俺を見た。
「だったらどうします?」
「どうするって、あいつ好きな奴いんぞ」
「知ってます。俺は戒さんよりずっと長くお嬢の近くにいましたから」
俺よりずっと長く…………
そう、響輔は俺よりもずっと朔羅のことを知っている。
あいつの癖や笑顔、悲しかったことや、辛かったこと。
朔羅はあの通りの性格だから、家族のことを大切にするだろうし、響輔とは歳が近いから何かと打ち明けてるのかもしれない。
でも………
「だめだ。あいつは譲らない。俺のだ」
「そうですか」
響輔は無表情に呟いた。
「じゃぁお嬢を不安にさせないでください。傷つけないでください」