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株取引と物流を手広くやって資金を転がしてる叔父貴はこの“龍崎グループ”を3年前に立ち上げた。
本人は会社経営は「ほんの道楽だ」とか言ってたけど……
道楽でこんなでっけービル建てるなんて、あんた只もんじゃねぇよ。
ぶつぶつ思いながら、あたしはエントランスホールへ足を運んだ。
受付のおねーさんに、
「龍崎 朔羅ですけど、会長と約束してるんですが」
と声を掛ける。
「お待ちください」
おねーさんは、にこにこして頷いたものの、隣にいるお姉さんにちょっと目配せして内線電話をした。
あたしはちょっと離れて待つことにした。
電話を切ったあとで、
「ねぇ、あの女子高生また来てるね。まさか…会長の恋人?」
「まさか!女子高生でしょ?それに苗字も同じだし、親戚とかじゃない?」
「そうよね。だってまだ子供だし。第一あの会長があんな女子高生相手にするわけないよね」
って、ひそひそ話をしてる。
って、聞こえてるっつーの。
まぁ、あたしは傍から見たらただの女子高生で……
今のあたしがいくら頑張ったって、おねーさんたちみたいな綺麗で色っぽくはなれないけど。
叔父貴がまともに相手してくれるわけでもなくて。
それが切ない。