。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
「朔羅さん!?」
メガネが慌ててしゃがみこみ、あたしの肩に手を置いた。
支えようとしてくれてるのは、分かる。
だけど、触れては欲しくなかった。
それは肩ではなく、隠し通してきた黒い過去に触れられた感触に酷く似ていたから。
あたしは乱暴に手を振り払った。
「触るな!」
大声で怒鳴った気がするけど、実際には声になったかどうか分からない。
「朔羅さん……」
両手で抱きしめるように肩を抱えた。
「見るんじゃねぇ……」
「え?」
「あたしをそんな風に見るんじゃねぇって言ってんだ!!」
今度こそあたしは今出るだけの大声でメガネを怒鳴りつけた。
「朔羅さん……」
どうすればいいのか分からないと言ったようにメガネが困惑して、わたわたと手を上下させてる。
あたしは無言で立ち上がると、よろめく足取りで台所を出た。
キレイダヨ。朔羅……
オ前ハ一生、俺ノモノ
いつまでも……いつまでも“あの男”の声があたしの後をついてくる。
そんな気がしてならなかった。
もう大丈夫だって分かってるのに…
だって“あの男”はもう死んだんだ。
アタシガ殺シタ