。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
かっこよくて、背が高くて、声が渋くて、スタイルが良くて足が長くて。
叔父貴は超がつくイケメンだ。
くっそぅ…ヤクザにしとくのはもったいない面だぜ。
「随分早かったな」
叔父貴はさっきのドスの利いた声をどこかへしまいこみ、優しい声音であたしを見た。
叔父貴はいつだってあたしに優しい。
うぬぼれていいのかな。
ちょっとはあたしのこと、女としてみてくれてるって。
「走ってきた。叔父貴に会えるかと思って」
「お前は相変わらず可愛いな。まあ、そこに座れ」
か、可愛い!!!
あたしは顔から火が出る思いで、革張りのソファに腰を下ろした。
叔父貴も向かい側に腰を据えると、すぐに秘書だと思われる女の人が現れて、紅茶のティーカップを運んできてくれた。
仕立てのいいスーツを着たきれいな女の人だ。
いかにもデキそうって感じで、叔父貴の隣に並んでいても違和感がない。
飲み物を持ってくるタイミングも、あたしたちの好みも熟知している。
くっそぅ。あたしだって10年すりゃ…
あたしは悔し紛れに紅茶のカップに口をつけた。
「へぇ。朔羅さんもそんな顔するんだ。意外な一面を見たな」
ブーーーー!!!
あたしは飲んでた紅茶を吹き出した。
今朝の死体男―――
しかもさっき転校してきたばかりのそいつは、いつの間にか叔父貴の後ろに回りこんでいて、腕をソファの背もたれに乗せていた。
な、何でこいつがここにいるんだ!!!