。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。

「川上さん、朔……龍崎さん体調が悪いみたいだ。保健室、連れてってくれる?」


メガネの声がする。


「う、うん。分かった!」


リコの緊迫した声が頷くのも聞こえた。






メガネの……


腕や手は温かくて、全然嫌じゃなかった。怖くもなかった。


「少し休んできなよ。先生には上手く言っておくから」


メガネの……


声は“あいつ”とは違う。


温かくて、優しい。






叔父貴のくすぐるような低い声と、酷く似ている。



安心する。


大丈夫な気がする。




でも、メガネはあたしの過去を知ったら、きっと軽蔑する。


メガネはいつでもあたしを助けてくれたけど、助けたいとは思わなくなる。








ダッテアタシハ汚レテイルカラ


ドス黒イ血ノ色ニ染マッテイルカラ








< 162 / 558 >

この作品をシェア

pagetop