。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
あたしは玄関の前で腕を組むと仁王立ちになってメガネを出迎えた。
「メガネっ!てめっ!今までどこほっつき歩いてたんだよ!!うちの門限は9時だ。遅くなるんなら連絡の一つを寄越せ」
あたしは勢い込むと、メガネの制服のネクタイをぐいと引っ張った。
首を絞められて、メガネは苦しそうに喘いだ。
「ごっ……ごめっ……。連絡しなかったことは…謝るよ……。
でもっ…ほら、朔羅さんが元気なかったから……連れてきたよ」
「連れてきたって何をだ!犬でも拾ってきたのか?」
あたしはネクタイを引っ張ったまま、メガネを睨みつけた。
コホン
メガネの背後で空咳が聞こえ、あたしは目を開きそろりとそちらの方へ目を向けた。
「朔羅、相変わらずだな」
「お、叔父貴!!!?」
ギャ~~~!!!
あたしは慌ててメガネのネクタイから手を離した。
急に離されたメガネは玄関の上がり框に無様に転がった。