。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。

緊張度120%


あたしが、じゃなくて組のもんが。


居間の長いちゃぶだいにずらりと勢ぞろいしている。


寝てたもんも起きだして来た始末だ。


こんな光景食事以外で見たことがねぇ。


「「「ご苦労様です、会長!!!」」」


声を揃えてみんなが頭を下げた。


う~ん。さっすが叔父貴。


貫禄が生半端じゃねぇ。


そこにいるだけで、いつもは騒がしい組の連中を黙らせちまうんだから。


「ご苦労。特に変わりはねぇか?マサ」


「へ、へいっ!何にもございやせん!!」


マサが背筋をぴしっと正して、勢い込んだ。


「そうか」


叔父貴はそう言って出された茶を一口飲んだ。


蠍座キョウスケが出した日本茶だ。


「ん!?」


お茶を飲みながら叔父貴が顔をしかめた。


一同が強張った顔を更に緊張したように引きつらせる。


「キョ、キョウスケ、おめぇ会長にお出しした茶に何かいれたんじぇねぇか!!」


タクが一番向こう側にいるキョウスケを睨んだ。


「別になにも。普通に淹れましたよ」


うぉおお、キョウスケ!叔父貴のいる前で何でお前はいつもどおりなんだよっ!


「……旨いな」


叔父貴がぼそりと呟いた。



一同が分かりやすくほっと安堵する。



キョウスケ……こいつもあなどれねぇ。







< 166 / 558 >

この作品をシェア

pagetop