。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。

「さっきの琢磨さんかっこ良かったよ~」


のんびりと飯を食いながら、にこにことメガネが笑った。


「かっこ良かったって何がだよ」


叔父貴が苦笑いをして、その隣で同じように飯を食ってる。


何でもない光景なのに、あたしは幸せを感じていた。


だって叔父貴がうちで飯食うなんて、あんまりないから。


そうと分かってたら、ご馳走用意しておいたのにっっ。


叔父貴の茶碗が空になったのを見て、あたしは


「叔父貴、ごはんのお代わりは?」とにこにこしながら聞いた。


「いや。もう大丈夫だ。ありがとな」


「朔羅さん、僕おかわり」


メガネが茶碗を差し出す。


「てめぇは自分でやれっ」


叔父貴は苦笑いを漏らしながら、


「やってやれ」と小さく言った。


叔父貴に言われちゃ、仕方ねぇか。


あたしはしぶしぶ茶碗を受け取る。


メガネの隣で、叔父貴は箸を置いて手を合わせた。


「ご馳走様。うまかったよ」


「え?もう終わり?」


あたしは目をキョトンとさせた。


いや、用意した分は全部たいらげてあったけど、それにしてもいつもの半分ぐらいの量だったし、正直足りるか心配だったのに。


「いや、充分だ」


そう言った叔父貴の横顔が妙に疲れて見えたのは……


気のせいかな?




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