。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。

「ああ、悪りいな」


叔父貴はそう謝りながら、そっとあたしを離した。


離れがたかった。まだ抱きしめられていたかった。


変だあたし。叔父貴の周りにいる女たちに嫉妬してるくせに、同じように叔父貴に女としてみて欲しいと願うなんて…


矛盾だらけで、どうかしてる。


「やっぱり戒の言った通りだ。元気がないな」


「……へ?」


「あいついきなり会社に来て、俺を無理やり引っ張ってきたんだ。お前が元気がないからどうにかしてくれって」


メガネ……


あいつ、思ったほど悪い奴じゃないな…


自分だって叔父貴を好きなくせに。


ライバルのあたしを元気付けるなんて、むしろ変。


「そうだ。お前に土産があるんだ。渡すのを忘れてたよ」


そう言って叔父貴は枕元に置いた紙袋を手繰り寄せた。


ってか、布団が一組敷いてあって、あたしは今更のように意識した。


まぁ時間も時間だし、寝るために準備したんだろうけど……


なんか……ヤラシイな。


「夜這いか?」


叔父貴の言葉が蘇ってあたしは赤面した。



「ほら。朔羅。お前に土産だ。気に入るといいがな」


そう言われてあたしははっとなった。




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