。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。


「似てないね~。そっちのお兄さんはちょっとワイルド系なのに対して、君は可愛い系だもんね」


「そうですか?よく言われます」


戒が愛想よく受け答えしている。


「ところで、何か……」


「うん♪君たちかっこいいな~ってさっきからずっと思ってて。暇だったらあたしらとお茶しない?」


何だ…ナンパか……


「良いですよ~って言いたいところだけど、このあと僕らちょっと用事があって」


「そう……なんだぁ。残念」


女たちはさも残念そうに首をうなだれた。


「あ!じゃぁさっ。これうちらのケー番。暇があったら連絡して♪」


そう言って女たちは一枚のメモ書きを戒に手渡した。


「ありがとうございます♪じゃ、また」


戒が爽やかに去ろうとする。


引き際まで爽やかな奴。


「行こう。……お父さん」


「あ、ああ……」


戒に引っ張られて、歩き出すが俺は彼女たちを振り返った。


「ねえ、ちょっと」


俺が声を掛けると女たちはぱっと顔を明るくさせた。


「君らみたいな女の子がもらって嬉しいものって何?」


「え~誰かにプレゼントですかぁ?」


ちょっと不服そうに唇と尖らせる。


「まぁ…娘……に?」


「へぇ。そんな大きな娘さんがいるんですか??若そうに見えるのに」


若けぇんだよ。俺に戒みたいな歳のガキなんていてたまるか。


そんな心情を露知らず女たちは首を捻って考えている。






< 190 / 558 >

この作品をシェア

pagetop