。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
「似てないね~。そっちのお兄さんはちょっとワイルド系なのに対して、君は可愛い系だもんね」
「そうですか?よく言われます」
戒が愛想よく受け答えしている。
「ところで、何か……」
「うん♪君たちかっこいいな~ってさっきからずっと思ってて。暇だったらあたしらとお茶しない?」
何だ…ナンパか……
「良いですよ~って言いたいところだけど、このあと僕らちょっと用事があって」
「そう……なんだぁ。残念」
女たちはさも残念そうに首をうなだれた。
「あ!じゃぁさっ。これうちらのケー番。暇があったら連絡して♪」
そう言って女たちは一枚のメモ書きを戒に手渡した。
「ありがとうございます♪じゃ、また」
戒が爽やかに去ろうとする。
引き際まで爽やかな奴。
「行こう。……お父さん」
「あ、ああ……」
戒に引っ張られて、歩き出すが俺は彼女たちを振り返った。
「ねえ、ちょっと」
俺が声を掛けると女たちはぱっと顔を明るくさせた。
「君らみたいな女の子がもらって嬉しいものって何?」
「え~誰かにプレゼントですかぁ?」
ちょっと不服そうに唇と尖らせる。
「まぁ…娘……に?」
「へぇ。そんな大きな娘さんがいるんですか??若そうに見えるのに」
若けぇんだよ。俺に戒みたいな歳のガキなんていてたまるか。
そんな心情を露知らず女たちは首を捻って考えている。