。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
「服とかバッグとかアクセとか?」
その辺はさっき俺らも考えたんだよ。
「あ…あとぬいぐるみとか?」
ぬいぐるみ……そうかその手があったか。
「ありがとう。それじゃ」
俺は手を上げ、その場を立ち去った。
「あ~あ……あの女の子たち琢磨さん狙いみたいだったのに、良かったの?」
「はぁ?俺?お前だろ」
「だって、ずっとあっつい視線であんたを見てたよ。女の子ってさ、可愛いよりかっこいい男が好きだよな。しかもクールで寡黙な大人の男。包容力がありそうってな具合で」
「いや…そりゃどうか知らんが…」
俺はお前の方が女にもてると思うが?
爽やかで、優しそうで、害がなさそうな男……
朔羅もそんな男を好きになるのだろうか…
戒を好きになるだろうか―――
今んところまだ気を許してない感じはするが。
でも時間の問題だろうな……
俺が朔羅の傍にいる時間よりも、戒といる時間の方がずっと長い。
胸の中でもやもやした何かが芽生える。
嫌な感情だった。
「でもさ。あのヒトたち思いも寄らないよね?まさか琢磨さんが極道のトップにいる人間だなんて」
戒はにこにこして言った。
現実はそう……
俺は極道を束ねるトップで、頂上であり続けなければならない。
でも老いた獅子が若い獅子に挑まれ、怯むよう……
俺は戒の存在が少し……
怖いんだ。