。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。

「あ、これいいじゃん。朔羅にそっくり」


と言って戒が手にとったのは白いアザラシのぬいぐるみだった。


「どこが似てるんだ?」


「ごのぼけっとした緊張感のない顔がそっくり♪」


戒はにこにこしてぬいぐるみを両手で持ち、俺に見せた。


まぁ…確かに。似てないわけじゃない。


って、こんなこと思ってるって知れたらあいつに殴られるな。


「白くてふわふわしててさ、お目めぱっちりのところも似てない??」


戒が俺の目の前までぬいぐるみを持ってくる。


白くてフワフワ……


「ん~~~」俺はぬいぐるみに近づいてじっくりと見た。


すると戒がひょいと、自分に向かせる。


「決めた!これにしようぜ。お前可愛いもんな♪」と言って戒はチュッとぬいぐるみにキスをした。


「……何やってんだよ、おめぇは」


すると戒はにやりと不敵な笑みを浮かべ、俺をちょっと見上げた。


う…不吉な笑顔だ…


「あいつさ、単純だからあんたがくれたぬいぐるみに絶対チューすると思うね」


「はあ…?」


「朔羅と間接チュ~」にやにや笑って、戒はレジに行った。


何言ってやがんだ。こいつ。


戒も大人びてる(というか生意気)だけど、こう言うところはまだまだガキで、可愛いな。





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