。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
「スカートちょっと短すぎやしないか?」
叔父貴はスカートの端をちょっと引っ張った。
ギャ~~~!!引っ張んなよ!
「そうですかい?若いんだし、お嬢は脚がきれいだし、出さなきゃもったいねぇですよ」
タクがにこにこしながら言う。
ってか、“脚がきれい”って普通に言うか!!まぁタクはそこそこのイケメンだし、女の扱いに慣れてっからな~。
「おい、タク。俺の可愛い姪を変な目で見るんじゃねぇ」
叔父貴が低い声で言うとタクにガン垂れている。
わ~っ!朝から穏やかじゃない!!
「って言うかメガネは?あいつどこ行ったの?」
あたしは話題を逸らすためにわざと明るい声で聞いた。
「メガネはキョウスケと朝早くから出かけていきやしたよ。キョウスケに渋谷を案内してもらうんだって言ってやしたね」
組員の一人が答える。
「へぇ、キョウスケと。そう言えばあいつら仲いいの」
あたしは茶碗を持ってごはんを食べている叔父貴を見て笑った。
「まぁ年も近いし、色々気が合うんじゃねぇか?」
叔父貴はあまり興味がなさそうにして箸を止めることがない。
「気が合うねぇ…まぁそうかもしれねぇな」あたしは机の上に頬杖をつくと両手の上に顎を乗せた。
「こないださ~、庭でもんじゃパーティーやったんだよ。そしたらメガネの野郎、気持ち悪いなんてほざきやがったんだぜ?キョウスケも拾われた当初はそんなこと言ってた。
もんじゃをなめんなよ!てな感じだよな~。あんなに旨いのに」
うん、うん。と組のもんが腕を組みあたしに同意する。
叔父貴はちょっと箸を休めた。ぴくりと眉が動いたけど、あたしは気にならなかった。