。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
リコの家は車で30分程で着いた。


白い壁にチョコレート色の屋根が乗っている、洋風の可愛いおうち。


ここがリコの家だ。




「朔羅~~~♪」


二階のレースがかかった出窓からリコが身を乗り出し、手をぶんぶん振ってる。


「リコ♪」


あたしはリコに笑顔を向けた。


「じゃぁな朔羅。また連絡する」


バタン!


ドアを閉めると同時に中から白い封筒のようなものが舞い落ちた。


何だこれ?


拾い上げると、裏面に“TOKYO CANCER CENTER”と書かれていた。


叔父貴は気付かずにちょっと笑顔だけ向けると、ゆっくりと車を発車させた。黒いセルシオが遠ざかっていく。


「叔父…」


呼びかけたと同時にリコが玄関から顔を出す。


「朔羅、おは~☆ってそんな時間じゃないか。あれ、朔羅の叔父さん??」


玄関からリコが出てくると走り寄ってきて、ついでに叔父貴のセルシオに目を向ける。


「うん♪送ってくれたんだぁ」


「はぁ~相変わらず優しいのね」


リコが羨ましそうにあたしを見て笑う。


この封筒どうしよう…?あたしは封筒に目を落としたけど、


「あ、そうだぁ。うち今お姉ちゃんとその彼も遊びに来てるんだ。ちょっと騒がしいかもしれないけど、ごめんね?」


「ううん。あたしは全然構わないよ。ってかお姉さん彼氏いたんだ~」


「もう付き合って三ヶ月だって~。いいな~彼氏がいて」


リコはそう言いながらあたしを家の中に促した。


まぁいっか、今度会ったとき渡せば。


そう思ってあたしはその封筒をポケットにねじ込んだ。


リコのお姉さんは2こ上で19歳の女子大生。リコに似て可愛くて元気なんだ♪


大学生とかになると彼氏って自然にできるんかなぁ。


そんなことを思いながらリビングに通された。


「あらあら朔羅ちゃん。こんにちは」


リコのお母さんがにっこり微笑みながら招いてくれた。


白いレースのエプロンが似合う優しくて、可愛いお母さん。


あたしにはお母さんがいないから、リコがちょっと羨ましかったりする。




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