。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
「へ?えぇ!!」
あたしはびっくりしてリコを見た。
だってリコにも誰にもあたしの気持ち言ってないよ。
あ。メガネは知ってるか。っていうか誘導尋問に引っかかったって言うか…
「見れば分かるよ~。だって朔羅、叔父さんから連絡があったらいっつも嬉しそうにしてるんだもん」
「で、でも叔父貴だよ?血縁者だよ?」
あたしは慌てふためいて手を振った。
「いいじゃん♪あんなにかっこいい叔父さまだったらあたしが朔羅の立場でも恋に堕ちるって」
リコは能天気にケラケラと笑った。でも急に顎に手を当て何やら考え込む仕草をすると、
「これで千里は徹底的な失恋決定だね。だってあの叔父さまに勝てるわけないもんね」
「何で千里なの?」
あたしは苦笑いを漏らして聞いた。
「え~、だって千里朔羅のことめちゃくちゃ好きそうじゃない?」
「あー…あれは、単なる幼馴染だから。あたしを女として見てるわけじゃないよ」
あたしは、ないないといった具合で手を振った。
「はぁ~、千里かわいそ…」
リコは大げさにため息を吐いた。
いや、マジで千里はありえないから…
リコのお母さんがジュースとお菓子を運んできて、あたしたちは一旦話を中断。
お母さんが部屋を出て行くのを確認すると、リコは勉強机の本棚から分厚いマンガを取り出した。
「じゃ~ん!!買っちゃった☆」
リコはそう言ってマンガの表紙をあたしに見せた。
表紙には派手な色で“初カレ特集”と書かれていた。