。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
「ちょっと待て!あたしがいつ犯罪者になったってんだよ」
あたしは思わずメガネの胸ぐらを掴んだ。
「だ、だって警察だよ……?」
「「お嬢!無事だったんですかい!?」」
マサとタクが血相を変えて駐車場の方から走ってきた。
「いいか?あたしはちょっとしたトラブルに巻き込まれただけだ。世間様に恥ずかしいことはしてねぇんだよ」
メガネの胸ぐらから乱暴に手を離すと、あたしはこいつを睨み上げた。
ん―――?んん―――??
あたしはちょっと背伸びしてもう一度メガネを見上げる。
「どうしたの?」
メガネが怪訝そうに眉を寄せた。
「メガネ…お前今日メガネしてないのな。何か一瞬別人に見えたぜ」
「ああ。今日はコンタクト。お出かけだから。ね?」
と言ってキョウスケに笑いかける。
お出かけ……ふぅん。それで雰囲気違って見えたのか…
あたしはまじまじとメガネを下から上へと見た。
黒いブーツに細身のブラックジーンズ、英語が書かれた白いカットソーの上に黒いジャケットを羽織っている。
髪もいつもと違う感じでセットしてあった。
こうやって見ると……
普通に…いや……こいつかなりカッコいいかも……
と思ってあたしは慌てて頭を振った。
何考えてんだ!あたし!!
こいつが整った顔してんのは前々からだったし、悔しいほど美少年で……
女のあたしより品があるし……
って言ってて哀しくなってきた。