。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
「んぎぎぎぎっ!」
あたしは歯を食いしばって、封書を取られないよう頑張った。
メガネが封書を引っ張る。あたしがそれを守るように強く握る。
誰が、お前を叔父貴に会わせるかってーーーの!!
恋する乙女(?)の底力を舐めんなよ!!
そんなことを考えながら、たぶんメガネもそうだろうな…
睨みあっていたら、
「じゃぁ俺が預かります。それだったらいいでしょう?」
とキョウスケの腕が左隣からぬっと伸びてきてあっさり封書を奪っていった。
「喧嘩両成敗です。これは俺が会長に渡します」
済ました顔でキョウスケはジャケットの中にその封書をしまいいれた。
くっそう!!
とあたしは歯軋りしながらキョウスケを睨んだが、よく考えてみればそれが一番いいかもしれない。
万一取り合って破れでもしたら、大変だ。
メガネもそのことに納得したのか、ちょっとため息を吐くとまた窓の外に視線を向けた。
それにしても―――
叔父貴がいかがわしい店に用があるなんて……
何かどこか不自然だ……
あたしはどこか納得いかないように唇を尖らせると、それでもそれ以上詳しいことを聞くのが怖かったのか、大人しく車に揺られていた。