。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
あたしはびっくりして目を開いた。
メガネは半身を起こして、寝起きの半目でじっとあたしを見ていた。
寝起きのメガネ…
髪にちょっと寝癖がついていて、目つきがいつもより鋭い。
ってか、寝起き―――
ヤバイ!!
何でこいつこんなに色っぽいの!?
「な、何って…これは、その……」
だ~~~!!あたしのバカっ!!!言い訳を考えてなかったぁ!!
メガネは訝しげに目を細めると、呆れたように小さく吐息をつき、
「覗きの次は痴漢?勘弁してよね」
と掠れた声で小さく言い、めんどくさそうに頭を掻いて布団を引き上げた。
そのまま頭まで布団を被ると、横になる。
肝心の足もきっちり布団にしまっている。
「ち、違っ!!」
って何が違うんだ!やってることは痴漢そのものじゃねぇか!
自分のやろうとしていることが、今更ながら恥ずかしくなってあたしは顔を真っ赤にさせた。
メガネは布団にくるまると、再び寝息を立てている。
「ってか、また寝るンかよ……ホント低血圧なんだな…」
自分のことは棚にあげ、半分呆れてメガネを見るとあたしは立ち上がった。
確かめることに失敗したから、もうここに用はねぇ。
次の作戦を考えるか…
なんて考えてると、布団からメガネの手だけがにゅっと出てきて、“おいで、おいで”をしている。
あたしは訝しんでメガネを見下ろした。
「何だよ…まだ文句ある…」
と言いかけて、腕をぐいと引っ張られた。