。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
失敗!?
「どういう……状況??」
困惑したようにキョウスケが眉を寄せている。
「違っ!!これにはわけがあって!」
あたしは必死に言い訳を考えた。
でもどう見ても、あたしとメガネが一緒に寝てることには変わりがなくて…
「てめ!起きろ!!いつまでくっついてる気だ!!!」
言い訳を思いつかなくて、あたしは半ば八つ当たり気味でメガネの頭を殴った。
「いでっ!」
メガネが声を上げて、そろそろと顔を上げる。
まだ寝ぼけてるのだろうか、目がトロンとしていた。
「……あれ?朔羅さん?何でいるの……?」
あ…いつものメガネだ。
「てめぇが引っ張り込んだんだろ?覚えてねぇのかよ」
「……引っ張り込んだ?…ううん」
メガネは寝ぼけた目を擦りながらゆるゆると首を振った。
あたしはその隙にメガネから離れると、ぱっと布団から飛び出た。
「…と言うわけだからキョウスケ。あたしとこいつは何にもねぇ」
あたしはまだ困惑の表情を浮かべてるキョウスケの肩を軽く叩いた。
「でも痴漢されたことは覚えてるよ」
メガネをかけながらメガネがのんびり言った。
にっこりと憎らしいほどの笑顔を浮かべてやがる。
この野郎!一番どうでもいいこと覚えてんじゃねぇ!!
そう怒鳴りたかったけど、できなかった。
何故ならそれは真実だから。
「え!痴漢??」
キョウスケが益々不審そうに眉を寄せた。
「痴漢なんかしてねぇ!今の発言を忘れろ!」
強引に言い切ると、あたしは部屋を飛び出した。
作戦其の一―――失敗。