。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。


くっそぅ。


今朝はメガネの足のアザを確かめるどころか、こいつにまんまとはめられた。


まぁ本人にはその気がなかっただろうけど。


二人揃って学校に登校する間もあたしはメガネが虎間かどうかを確かめるために策を練っていた。


あたしは先に学校の階段を降りるメガネの頭のてっぺんを見た。


寝癖がついていた髪は直っていて、サラサラしている。


こうなりゃちょっと荒い方法だけど…実行するしかねぇ。


幸いにもこの西階段はあまり使われないせいか、人通りが皆無だ。


今しかねぇ!


あたしはそろりと両手を上げた。


あたしがちょっとメガネの両肩を押したら、こいつは階下にまっさかさまだ。


ちょっと荒っぽいけど…メガネが虎間だったらこんなこと簡単にかわすはず…


そう思って手を押し出すと、メガネの肩に触れる寸前こいつは


「あ」


と声を出し、スっと屈んだ。


すかっとあたしの両手が空を切る。


「見て、朔羅さん♪」


そういってメガネはにこにこしながら、にゅっと手を差し出した。


グロテスクな茶色い物体を手にしている。


「蝉の抜け殻発見♪もうすぐ夏だねぇ」


あたしは驚きに目を開いてちょっと身を引いた。


あ……ありえねぇ…


「て…てめぇ!!そんなもん見せんじゃねぇ!!!」


あたしは叫んだ。


何を語ろう…あたしは虫が苦手だ。


と言うより大嫌いだ!!


この世から抹殺したいぐらいに。







< 244 / 558 >

この作品をシェア

pagetop