。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
長いようで短い体育の時間が終わり、着替えを終えた千里を廊下でそわそわした面持ちで待っていた。
ロッカールームからぞろぞろと男共が出てくる。
その中に千里もいた。
「おい、千里」
小声で呼ぶと、千里をひと気のない場所まで引っ張っていった。
「―――で、どうだった!?」
千里は歯切れ悪くもじもじとつま先を合わせると、
あたしから顔を逸らし、ポッと頬を染めた。
―――おい……
何があったんだよ―――!!!
「おい!メガネ!!」
最後に出てきたメガネを千里と同じように引き止めると、今度は引きずるように同じ場所へ引っ張っていく。
あたしは腕を組むと仁王立ちになってメガネを睨み上げた。
「おいっ!てめぇ千里に何しやがった!!?」
「何って……」
メガネがキョトンとして目をぱちぱちさせる。
ちょっと考えるように首を捻ると、
「あぁ」と手を打った。
「あんまりジロジロ見てくるから、そっちの趣味の人だと思って……」
「思って!!?」
その先を聞きたいような、聞きたくないような……
「迫ってみた」
メガネはにっこり笑う。