。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
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次の日の朝、
「はよ~」
あくびをかみ締めながら、居間の襖を開けるとマサを含む組員3人が何やら深刻そうな顔をして顔を突き合わせていた。
「あ、お嬢!おはようございやす!!」
「はよ。何話してんの?そんな深刻な顔して」
「お嬢!聞いてくださいよ。昨日の晩、クラブZで乱闘騒ぎがあったらしくて」
マサがあたしを見て勢い込む。
「クラブZっていやぁ、畑中組のシマだろ?何で乱闘騒ぎなんて」
「それが……」
言いにくそうにマサが口を濁した。
何だよ?はっきりしやがれっ。
「それが、どうやら白虎会の跡目の虎間(トラマ)兄弟にやられたらしいですぜ」
マサの後を引き継いで、タクが言った。
「関西の白虎会、直系虎間組が何で関東に……」
虎間兄弟っていやぁ面は見たことねえけど、噂では凶暴、凶悪、残忍で有名な3兄弟だ。
だけど3兄弟とも腕っ節は確かだとか。
「いや、兄弟じゃなく、実際は一人だったらしいんすけど」
「一人……畑中組っちゃ、あそこは若けぇが屈強ぞろいだろ?全員やられたのか?ホントに虎間兄弟なのか?」
あたしは眉を寄せた。
もし本当だとしたら……
何故関西の白虎が関東の青龍の縄張りにいるんだ!?
「それが……どうやら間違いないらしいです。背中にホワイトタイガーの紋(彫り物)背負ってったらしいですぜ」