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青龍会傘下、鴇田組十五代目組長―――鴇田 翔(トキタ ショウ)
龍崎 琢磨の会社で、経理部を統括している常務取締り役兼秘書的な仕事をしている男だ。
マネーロンダリングのプロで、青龍会の金庫番とも言える男。
以前朔羅がこいつのことを蛇田(ヘビタ)と呼んでいた。
切れ長の鋭い目は、威嚇するときの蛇そっくりだからだとか…
なるほど、そっくり……とは言えないけど、雰囲気だけは伝わる。
俺もこいつ嫌い―――
何か裏がありそうで、何か企んでいそうで、気を許せない。
まぁここは敵の陣地だ。
気を許せる相手なんて響輔と―――
朔羅以外いないが。
「何だ戒?今日は約束してたか?」
龍崎 琢磨が鋭い視線で俺を見る。
眉間に寄せた皺から察するに、ここで鴇田と内密な話をしていたわけだ。
「ちょっとね」
俺は肩を竦めて見せた。
龍崎 琢磨は軽くため息を吐くと、鴇田に目配せする。
「鴇田、外せ」
「は」
言葉も少なめに鴇田が去っていく。
去り際にちらりと俺を見て、にやりと不敵な笑みを浮かべた。
龍崎 琢磨とは絶対的な主従関係にありそうだが……
気が抜けねぇな。