。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
「貴様~~~~~!!!」
会長室が壊れるかと思うほどの怒号を鳴らして、龍崎の雷が落ちた。
ちっ。
やっぱこいつには俺の必殺技が通じなかったか。
「まぁいいじゃん♪まだ完全には気付いてないって。疑ってるって言った方が正しいのかな?」
俺の言い訳に龍崎は深~くため息を吐いて、上質な革の回転椅子に腰を落とした。
「戒………お前は賢い子だ。もっと上手く立ち回れるかと思ったけど」
「目測を誤った?俺だってもっとうまく立ち回れる筈だったんだよ」
俺は笑顔から真顔に戻ると、再び腕を組んでどでかい机に寄りかかった。
時期が来るまで……
正体を隠し通せる絶対的な自信はあった。
でも―――
朔羅と川上 理子の後を尾けたのは、単にあいつらが変なヤツに絡まれないか心配だったからだ。
世の中ブッソーだからな。
朔羅は……一人だったら、痴漢でも強姦魔でも誘拐犯でも追い払えるだろうが、川上 理子が一緒だった。
必死に正体を押し隠してる朔羅は当然身動きが取れるわけでもなく、それでも川上を守ろうと必死だった。
朔羅が悪者に連れて行かれる……
ことよりも、他の男に触れられることが―――俺には許せなかったんだ。
だから正体がバレるのを覚悟で、助けた。