。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
じわりじわりと、何かが地を這ってすぐ足元まで迫ってきてくるようなこの気持ち悪さ。
大々的に戦争をしかけてこないところから、気味の悪さを窺い知れる。
「急がんと……取り返しのつかんことになるで」
俺は龍崎を睨み見た。
「お前に言われなくても分かってる」
顔に出た苛立ちを隠さないで、龍崎が睨み返してくる。
手に握られた白い封書がぎりりと音を立て、ぐしゃりと潰された。
急がないと―――
早く、早く、早く!…………時間がない―――
口には出さなくても、龍崎はそう言っているように見えた。
龍崎は…時期を見ると言っている。
それを心の定規で測っている最中だ。
正確な定規も…………見る目が誤ったら、測り間違えることだってある。
四神の頂点に立つ黄龍でさえも―――
でも
ふとした瞬間に思うことがある。
測り間違えてるのは龍崎ではなく
俺なんじゃないか…………と。
今更盃の件がこいつがでっちあげた嘘の話だとは思わない。
青龍会だって、今や勢いを増した玄武に押されてヤバイって話だからな。
でもそれ以外に―――
こいつは俺に何か隠している。
そう思えてならない。