。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
―――朔羅………?
気配はしねぇけど、あいつが近くにいるのは間違いねぇ。
俺は鼻が利くんだ。響輔は気付いてないみたいだけど。
ったく。いつまで疑ってやがんだ、アイツは。
「響輔顔貸せ」
俺は響輔に耳打ちすると、響輔は何事かという感じで首を捻った。
「いいから言う通りにしろ」
俺は乱暴に響輔の顔を両手で挟むと、強引に響輔の唇を奪った。
「――――!!」
声にならない悲鳴を上げて、ドスドスと廊下を歩いてくる音が近づいてくる。
と思った次の瞬間
スパーン!!!
何かで思いっきり頭をはたかれた。
「メガネてめっ!い、家の中で不純同姓交遊すんじゃねぇ!!」
朔羅の怒鳴り声で、俺は響輔から唇を離した。
朔羅はアザラシのぬいぐるみを手に、ぜいぜい肩を揺らしながら仁王立ちになっている。
可愛い朔羅。
これぐらいで真っ赤になっちゃって♪
「じゃぁ異性だったらいいの?」
俺はちょっと意地悪く微笑むと、朔羅の顎に手をかけた。
「い!いいわけないだろが!!!」
盛大に怒鳴り声を散らして、朔羅はまたドスドスと足音を荒げて行ってしまった。