。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。


「じゃぁさ四人別のものを頼んで交換しあうのっては?」


メガネがにこにこして言う。


四人…ん~悪かないけど……


「あ!あたし千里と半分に分けるから、メ…龍崎くんはリコと半分こしなよ。それでどう?」


「それいいじゃん」


千里がちょっと元気を取り戻したように、あたしに向き直った。


「ん~…いいよぉ」


とリコも機嫌を直したようだ。


ふぅ。ってか何であたしが気遣わなきゃなんねんだよ!!!


そんな気苦労を知らずにメガネはのんびりリコと話をしている。




ただ券があるからっていくらなんでもパフェだけじゃ悪い気がして、あたしたちはそれぞれドリンクバーも注文した。


注文したパフェが来て、ジュースを飲みながら楽しくお喋り……


な筈だったけど、何かいらない気苦労があってあたしはぐったり。


二時間ほど喋った頃、


「そろそろ帰るか」と千里が言い出したとき、あたしはこの微妙な空気からやっと解放される思いで、喜んで賛成した。


会計を済ませて店の外に出る。


「ねぇ龍崎くん……ケー番教えて?」


とリコがもじもじと言い出した。


「いいよ」と素直に頷いてメガネがケータイを取り出したときだった。






「あれ~?朔羅ちゃんじゃね?」




と聞きなれた声がして、あたしはすぐ近くにいた男を見た。




< 272 / 558 >

この作品をシェア

pagetop