。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
鈍い音がして、キモ金髪野郎のパンチがメガネの頬を打った。
メガネがよろけてその場に足を着く。
「―――!!」
「キャァ!!」
リコの叫び声が倉庫の中に反響した。
「り、龍崎!!」
千里も驚いて声を上げる。
倉庫は、リコの悲鳴を吸ってもただ音を響かせるだけで、その音を外には伝えてくれなさそうだ。
あたしは視線を険しくしてメガネを振り返る。
殴れらたふいに掛けていたメガネが外れたらしい。地面に転がっていた。
メガネは打たれた頬を押さえて、片目でキモ金髪野郎を睨んでいる。
でも……迫力のない睨みだ。
これじゃこいつらを余計煽ることになる。
「おい、進藤。こいつらか?生意気なコーハイってのは??」
「そ、こいつら二人まとめてやっちまえよ」
「センパイに対する態度ってを教えてやンよ♪」
案の定、仲間の一人が笑いながら手の関節をボキボキッと鳴らした。
「さ…朔羅ぁ…」
リコが泣きそうな声であたしの袖をぎゅっと握ってくる。
あたしはそんなリコの震える手を握った。
ドキンドキン…とあたしの鼓動が跳ね上がる。
メガネ……
お前虎間だろ?
そんな奴ら簡単にヤッちまえよ。
お前だったら秒殺だ。
―――でもメガネはあたしのそんな予想を裏切った。