。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。

「お前は前々から目障りだったんだよ」


キモ金髪野郎は制服の胸ポケットからタバコの箱を取り出すとその一本に火をつけた。


灰色の煙が上へ上へと昇っていく。


上を見上げると、曇った窓ガラスがはめ込んであった。


ほんの僅かに開いていて、煙はそこから外に流れている。


窓……


でもちょっと高さがあるな……


目測で、3メートル程。とてもじゃないけどジャンプだけではどうにもできない。


ぎゅっとリコの緊張した手があたしの背中を握った。


恐怖に駆られて、込めた力が痛い程だ。


「朔羅の周りを二度と近づけないようにしてやるよ」


にやりと不気味な笑顔を湛えて、キモ金髪野郎はメガネの前髪を乱暴に掴んだ。


ぐいと顔を上げされると、メガネの制服のシャツの前を勢いよく裂いた。


メガネの細いけどきれいな筋肉がついた胸板と割れた腹筋が合間から見える。


「俺にはむかうとどうなるか、教えてやるよ」


指に挟んだタバコをメガネの体に近づけた。



根性焼き!!?



てか今頃流行らないんだよ!!!!











「やめて―――!!!」







あたしの声が倉庫中に響いて、キモ金髪野郎がこっちを向く。







その顔に、醜く歪んだ笑顔が浮かんでいた。












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